序章 なぜ不動産投資をするのか
「芦沢君、ちょっと。」
ある日、上司から会議室に呼ばれて、こう言われたのです。
「もう会社に来なくていいよ。」
まるでTVドラマの1シーンのような光景が私の目の前にありました。
20年以上残っている住宅ローン、要介護度4のアルツハイマー病の老親の介護、
子供の教育費・・・将来の不安が、
私の頭を瞬時によぎりました。
でも、私の横にはもう一人の傍観者、むしろこの状況を楽しんでいる自分がいました。
まだ小さかった昭和30年代、台風警報が出ると普段は使わない雨戸を閉めて、
「我が家は大丈夫!」と言う父の声を聞き、
なぜか台風が来るのを楽しんでいました。
その当時を思い出し、目の前にある経済的な台風に対しても
「この時のために準備していたものが私にはある」
「我が家は大丈夫だ」と確信していたのです。
その数ヶ月後、深刻な顔で話を切り出した上司には申し訳ないような気になりつつも、
私たちは一家そろってハワイのホテルのテラスで、
心地よい海風と輝く陽光を体いっぱいに感じながらランチを楽しんでいました。
勤続21年で突然の指名退職を受け、46歳での早期退職記念旅行です。
昼はハナウマベイでシュノーケリング、夜は趣味のアマチュア無線。
アメリカのラジオライセンスを取得しているので、
ホテルに設置した手製のオリジナル無線機材を駆使して、
世界の仲間との交信を堪能する毎日でした。
さえないリストラ中年サラリーマンが、なぜリゾート気分を存分に楽しめたのか?
実は私には、サラリーマンとしての給与を上回る、
マンション投資からの家賃収入があったからです。
そして現在は、自分の好きな専門技術を活かして再就職し、
やりたい仕事をしています。
サラリーマンとしての年収は4割ダウンしましたが、
リストラ前の生活レベルを落とすこともなく、
家族全員が以前と変わらず安定した生活を送っています。
もし私が、会社からの給与収入だけで生活するサラリーマンだったら、
マンション投資が私の窮地を救ってくれたのです。
でも、その道のりはけっして平坦なものではありませんでした。
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