サラリーマンにも出来る中古マンション最適投資法
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・実需(自己使用)を想定する
投資目的ではなく、ご自分や家族が使うという目的であれば、
このようなシミュレーションとは別の視点で物件を評価することが可能になるでしょう。
私の場合、自分で使うめどはないですし、キャピタルゲイン中心の利益構造を描くと、
将来の不動産相場任せ、買手頼み投資となり、
築年数という観点からも制限がかかるため、投資は見送りました。
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・築47年になる前に、高い値段で買ってくれる買手が現れる
つまり、築47年になる前の段階で、投下資金を回収でき、
さらに利益も積み増せることが確実な、かなりいい価格で売却できる場合です。
不足する累積家賃収入の分を売却価格で補うということです。
前述の鶏と卵のたとえでは、卵の数が足りないので、
鶏をその分高値で売ってトータルで利益を確保するわけです。
これを専門的には、インカムゲイン不足で、NPV(正味現在価値)の値がマイナスの状態なので、
キャピタルゲインを上げることにより、
NPVがプラスになる内部収益率=IRR(Internal Rate Return)よりも高い利回りを達成する、
ということになります。
興味ある方はインターネット等で検索して勉強してみてください。
専門的な数式が理解できなくても、エクセルの表計算を使えば、
ご自分で計算できます。
*買主の入口としてこの物件の価格を見ると
もう少し別の視点から見てみましょう。
売主側と買主側シミュレーションです。
買手のインカムゲインによる資金回収という視点からは、
計算値より高めの売値であることが一目で分かります。
減価償却の残存年数が少ないため、
買手は減価償却の年数内に得られるインカムゲインだけでは投下資金を回収しきれません。
売買価格と減価償却残存年数の取り合いの様子が手に取るようにわかります。
この取引では売手有利の価格ですね。
この物件の場合、築47年までの残存年数では投下資金を回収できません。
選手に例えるなら、トレード料金分を稼ぎ終わらないうちに、
選手寿命が尽きてしまうので、トレードできないという判断になります。
この物件を買う理由が成り立つとすれば、次のような場合に限られるでしょう。

*売主側の出口としてこの物件の価格を見ると
新築当初からこの部屋を所有していたこのオーナーさんは、
十分資金回収ができたので現金化したいとのご意向をおもちでした。
新築当初の価格は、いくつかのデータから1000万円程度だったと推定されます。
今回の売出し価格設定880万円(坪単価174万円)は、
過去の取引事例や周辺の物件相場から考えても、安めの設定です。
なぜ、この価格で売りに出せるのでしょうか?
道玄坂でこの家賃は安いですから、
実際にはバブルの頃はもっと高い家賃だったに違いありません。
仮に当初から現時点の月7万円の家賃で27年間賃貸していたとしても、
オーナーさんは単純に2268万円の賃料収入を得ている計算です。
もちろん、空室や滞納、修繕などもありますし、各種税金、諸経費などもかかります。
それらの要素をあわせて考慮したシミュレーションでは、
インカムゲインによるキャッシュフローの累積は、約1110万円と計算されます。
(道玄坂のロケーションとしてはかなり厳しい稼働率90%、
家賃下落率年1%というパラメータで計算しています。)
しかし、従来は、礼金2ヶ月、更新料1ヶ月を入居者から受け取れました。
この立地であれば、賃料はシミュレーションの家賃より高かったでしょうし、
空室ももっと少なかったでしょう。
内装リフォームも慣例上入居者から預かっている2ヶ月分の敷金から清算が可能だったはずです。
ちなみに、
賃貸住宅の自然劣化による原状回復費用は借手である入居者が敷金から支払うというのが、
戦前の住宅事情から生まれ、最近まで続いた商習慣でした。
それを現在の賃貸市場に合わせて是正するという趣旨で、
原状回復費用は貸手のオーナーが負担するというルールができました。
2004年3月の都議会で可決され、10月から東京都内で施行された
「東京都賃貸住宅紛争防止条例」です。
一般的に東京ルールと言われていますが、これが全国的に普及しつつあるため、
原状回復費用はオーナー負担が一般化しはじめています。
シミュレーションでは、敷金、礼金、更新料など一切含めていませんので、
実際はシミュレーション値よりも高い累積インカムゲインが実現できていたはずです。
従って、仮に全額現金で購入していたとしても、
家賃収入で投下資金を回収し、さらにその倍ほどの額を手にしておられるのでしょう。
ですから理論的には、今、無料で譲渡したとしても利益は確保されます。
だからこそ880万円という格安の売値を設定できたのでしょう。
指値で買いが入るでしょうから、こういう背景なら、
売値にこだわらずにすぐ応ずれば、成約するだろうと感じました。

データを使って検討する
なぜ買いを入れなかったのかを、具体的にグラフで見てみましょう。
年度ごとの価格から坪単価を算出し(表中では実線)、
その価格で購入した場合に資金を回収するのに必要な期間を計算しました。
それを元に築47年時点で資金が回収できる坪単価を表中に点線で描いてみました。
このデータを解析してみると、以下のことが分かります。
折線が実際の売買坪単価で、階数や部屋の向き、広さ、間取りによってばらつきはありますが、
2001年あたりを底に明らかに上昇傾向にあります。
特に、2004年以降、ペイオフの影響でしょうか、
高値傾向が続いています。(たった1棟のデータなので不十分ですが。)
今回の売出し坪単価を星印で表示しました。
家賃収入という視点から見て、この購入価格で投資できるか、検討してみます。
点線は、築47年までに投下資金を回収できる購入価格の計算値を示しているので、
売出し価格(星)は築47年回収線(点線)より上にあることからみて、
この価格で購入しても築47年までに投下資金が回収できないことが分かります。
それでは、実売買価格(折線)と築47年回収曲線(点線)がクロスする
2001年以前に折線で購入した場合は利益が出るのか?という設問をしたとします。
2001年の売価を回収するには24年間を要することになります。
これは許容できる年数でしょうか?
購入者が24年後に何歳になり、ライフスタイルはどう変化しているのか?
資金回収ができたとき、建物は築47年を経過してどんな状態になっているか?
これを購入者はどうとらえ、どう対処するのか?という問題になってきます。
この投資をこの時点の売主の立場で計算すると、
単純計算では27年間で1113万円の最終手取賃料と売却代金880万円を得て、
利幅は964万円、最終総合平均利回りは年3.4%、
この時点で1964万円のキャッシュが手元に残ることになります。
(後述のように非常に辛目のパラメータで計算した値です。)
その間のキャッシュフローは、その都度別の方法で複利運用することが可能ですし、
税金面でのメリットもあったはずです。
もちろん、この利回りが投資に値するかの判断は個人差があるとは思います。
バブルの時に売却していれば利益はより大きかったはずですが・・・
それは結果論にすぎません。
この物件のシミュレーションをしてみることで、
区分所有の堅実な出口戦略を実践されたオーナーさんの姿に出会えた貴重な経験でした。
