データを使って検討する
なぜ買いを入れなかったのかを、具体的にグラフで見てみましょう。
年度ごとの価格から坪単価を算出し(表中では実線)、
その価格で購入した場合に資金を回収するのに必要な期間を計算しました。
それを元に築47年時点で資金が回収できる坪単価を表中に点線で描いてみました。
このデータを解析してみると、以下のことが分かります。
折線が実際の売買坪単価で、階数や部屋の向き、広さ、間取りによってばらつきはありますが、
2001年あたりを底に明らかに上昇傾向にあります。
特に、2004年以降、ペイオフの影響でしょうか、
高値傾向が続いています。(たった1棟のデータなので不十分ですが。)
今回の売出し坪単価を星印で表示しました。
家賃収入という視点から見て、この購入価格で投資できるか、検討してみます。
点線は、築47年までに投下資金を回収できる購入価格の計算値を示しているので、
売出し価格(星)は築47年回収線(点線)より上にあることからみて、
この価格で購入しても築47年までに投下資金が回収できないことが分かります。
それでは、実売買価格(折線)と築47年回収曲線(点線)がクロスする
2001年以前に折線で購入した場合は利益が出るのか?という設問をしたとします。
2001年の売価を回収するには24年間を要することになります。
これは許容できる年数でしょうか?
購入者が24年後に何歳になり、ライフスタイルはどう変化しているのか?
資金回収ができたとき、建物は築47年を経過してどんな状態になっているか?
これを購入者はどうとらえ、どう対処するのか?という問題になってきます。
この投資をこの時点の売主の立場で計算すると、
単純計算では27年間で1113万円の最終手取賃料と売却代金880万円を得て、
利幅は964万円、最終総合平均利回りは年3.4%、
この時点で1964万円のキャッシュが手元に残ることになります。
(後述のように非常に辛目のパラメータで計算した値です。)
その間のキャッシュフローは、その都度別の方法で複利運用することが可能ですし、
税金面でのメリットもあったはずです。
もちろん、この利回りが投資に値するかの判断は個人差があるとは思います。
バブルの時に売却していれば利益はより大きかったはずですが・・・
それは結果論にすぎません。
この物件のシミュレーションをしてみることで、
区分所有の堅実な出口戦略を実践されたオーナーさんの姿に出会えた貴重な経験でした。
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