・築47年時点でのインカムゲインの累積キャッシュフローは950万円
この時点で家賃は3.9万円、
法定減価償却済みで物件の価値は268万円まで下落しています。
法定償却期間は終了していますので、
現在の税法では、法定償却年数の2割の年数で減価償却できるルールになっています。
法改定がないと仮定しての話ですが、
居住用でしたら47年×0.2=9年
でその時点の購入価格に対して減価償却できるということです。
このメリットに注目し、家賃3.9万円を取れる物件に買手がいるか?
ということになります。
これはあくまで計算上ですから、現実問題としては、こんな先のことは分かりません。
このとき、筆者は72歳になっているはずです。
もし無料で区分所有権を譲渡しても、手元には891万円のキャッシュが残ることになります。
これは単純加算ですから、複利運用すればさらに金額は増します。
シミュレーションでは以上のような見通しでした。
ところで、4年経過した現時点での実際の途中経過(実験値)はどうでしょうか?
入居率ですが、4年間(48ヶ月)で空室は1回2ヶ月のみでしたので、
シミュレーションの90%に対して実績は95.8%です。
家賃下落率は、2002年~4年は月4万8920円の家賃収入でしたが、
2005年から前述のように5万2310円にアップしたので、
シミュレーションでは年1%のダウンを予想していたのに対して、
実績では年1.15%のアップでした。
これ以外に、シミュレーションには含めていない礼金と更新料が、
実際にはインカムゲインとして加算されます。
物件価値は減価償却に基いて429万円に下落すると予想していましたが、
現在インターネットなどで調査した取引事例では、
550万円~600万円程度であれば買手はつきそうです。
つまり、シミュレーション時には60万円程度のダウンを予想していたのに対し、
約60万~110万円程度のアップです。
(ただし、あくまで現時点での含み益です。)
さて、ここでシミュレーションを少し振り返ってみましょう。
投下資金回収時までの17年間の投資総合利回り年4.5%という数字は、
最悪値での計算なので、厳しすぎて投資価値が無いという判断もありえます。
この程度の利回りなら、
リスクの少ない格付けの高い海外の債券などへの投資でも達成可能かもしれません。
そこで、もう一度シミュレーションに戻ってみます。
すべてを最悪パラメータに設定した辛口シミュレーションでしたので、
今度は、実験値を参考にして見直してみましょう。
もう少し実際に近いと思われるパラメータを採用します。
・家賃は現在の5万2310円(表面利回り15.2%)とする
・稼働率はこの4年間での実績値95%とする
以下を採用すると、投下資金回収期間は15年間に短縮され、
単純に法定減価償却した15年後の理論物件価値は350万円になります。
これで売却したとして、税金など諸費用を含めた総合利回りは5.3%になります。
これでもまだ、売値は現実の市場価値と較べれば辛めのシミュレーションといえましょう。
この時点の家賃は4.5万円に下落している計算となりますので、
仮に表面利回り11%、15年前の買値490万円で売れれば、
総合利回りは年7.2%というシミュレーション結果になります。
従って、現実値にかなり近いと想定されるシミュレーションでは、
15年間の最終投資利回りは年平均5.3~7.2%のあいだと予想されます。
いずれにしても、レバレッジを効かせない現金によるマンション投資では、
総合利回りはこの程度になります。
この程度の総合利回りでも不動産投資を行う価値があるかどうか、
という判断は、個人の事情や志向によって違ってくると思います。
ちなみにプロがビジネスとして行う場合は、
利回り10%程度を一つの目安とし、実際にはリスクをコントロールしつつ、
借入金によるレバレッジを効かせて、
この何倍の利回りが可能かを判断するようです。
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