サラリーマンにも出来る中古マンション最適投資法
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購入物件その2 用賀の財務黒字マンションを現金で
鶯谷の物件では、建物全体の経済的、効率的な管理が大切だと痛感したため、
建物全体の管理運営がしっかりしていると思われる会社を調べ、
全国で5万室以上を管理している新築ワンルームマンション販売のI社を訪ねてみました。
中古仲介部門の営業マンを紹介してくれるようお願いしたところ、
その営業マンから用賀駅徒歩4分の物件を勧められました。
営業マン自身が15年間所有している部屋の真上の部屋で、
同じ間取りの物件です。
実際のオーナーである営業マンが勧める物件ですから、
根拠はあるだろうと期待しました。
しかし、前回と同じような小規模の物件なので、
同じ失敗を繰り返さないように念入りにチェックしました。
資料はI社から取寄せましたが、
仲介と管理がシステム化されて新築以来の資料がきちんと揃っており、
ほとんど手間はかけずに、共用部と専有部、入居者関係の資料を入手できました。
これはシステム管理されているワンルームの大きなメリットです。
維持管理費が気になったので管理組合の財政収支をチェックしたところ、
総戸数約30戸と小規模な5階建のマンションですが、
エレベーターがないため、毎月の収支は黒字です。
さらに大規模修繕費も4期に分けて実施する計画が立てられ、
そのうち2回分まで完了していました。
これならば、今後の維持費を負担しながら10年以上所有しても、
次回の大規模修繕も安心していられそうです。
築30年までの大規模修繕計画と、
それに沿った修繕積立金の収支状況がA3サイズのスケジュール表にまとめられ、
オーナー集会の議事録も残っていました。
鶯谷の物件のような場当たり的な対応とは雲泥の差です。
さっそく購入を決めました。
問題は購入資金です。
鶯谷物件はフルローンで購入したため、貴重な利回りを金利の支払いに吸い取られてしまい、
手元には何も残りません。
その苦い経験から、資金の手当てに苦労はしましたが、
今度は思いきって現金購入としました。
この物件は今も入居率100%で、管理組合の財務も毎期黒字で推移しています。
私にとっては、この物件との出会いが、投資成功へのマイルストーンになるものでした。
(厳密には未だ投下資金を回収し終わっていませんので、出口を迎えてはいません。)
前述のように区分所有といえども、
建物全体での運用収支が黒字であることの重要性を理解させ、
選別眼を養わせてくれました。
そして、それ以上に貴重な出会いをもたらしてくれたのです。
それは、制約実績によってI社とのつながりができたことです。
I社には、オーナーから出た中古売り物件の情報を、
まず他のオーナーに流す仕組みができているので、
最上流情報を得ることができます。
それに加え、Mさんという営業マンとの出会いがありました。
Mさんは、もとはI社の客さんでサラリーマン兼個人投資家だったそうですが、
その手腕を買われ、中古仲介専門の社員となったそうです。
ですから、何より個人投資家の視点から
本当に推薦できる物件を紹介する姿勢が感じられました。
契約時にMさんから「芦沢さんはなかなか熱心ですね。
これを見て研究を重ねて、青色申告のできる10室経営を目指してください」
といって、I社が入居者向けに発行している賃貸募集用の雑誌を手渡されました。
(インターネットはまだあまり普及していない時代でした。)
「今後はこの中から物件をご紹介できますから、
普段からよく調査しておいてください。」
そこには、I社創立以来の全物件の写真、築年、総戸数、賃貸相場、
管理費、敷金礼金、最寄り駅からの時間が、
エリア・路線ごとに掲載されています。
「なるほど、賃貸募集用の雑誌でも、視点を変えれば価値の高い物件調査資料だ!」
私は目から鱗が落ちる思いでした。
その後、Mさんの人事異動のときにTさんという社員を紹介して頂き、
後述するように、このTさんとのご縁が、私のマンション投資発展の基礎となったのでした。
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このマンションには恐怖の時限爆弾が付いていた
その後、鶯谷の物件には、
さらに真綿で首を絞められるような恐ろしい恐怖が隠れていることがわかりました。
それは、管理費と修繕積立金の収支状況です。
購入当初、管理基金と修繕積立金の合計は一応400万円程度積み立っていましたが、
毎年の管理費の収支決算書を入手してみると、
重大な問題が発覚しました。
管理費の収支が赤字続きで、年々赤字が累積していたのです。
これでは自転車操業で、いつかは管理費が積立金を食いつぶすことは明らかです。
各戸ごとに月5000円も払っている管理費が、
いったいどこに食われてしまい、なぜ200万円もの累積赤字が生じているのか?
不思議に思った私は、
管理会社から管理組合の収支決算書を取り寄せて中身をチェックしてみました。
すると、エレベーターの保守点検費が年に70万円程度かかっていることがわかりました。
これは年間の全戸管理費収入150万円の約半分に匹敵します。
もちろんエレベーターがあった方が入居者には便利ですが、
小規模のマンションでは老朽化したエレベーターの交換工事を実施したことがありましたが、
800万円程度の総工費がかかったことを覚えています。
その他にも、1階が半地下になっているので公道下水まで揚水するための排水ポンプと、
屋上の給水タンクへ水道を上げるためのポンプがあります。
合計3機のポンプの維持費とエレベーターの保守点検費がかさむため、
管理費の維持費や大規模修繕費など、
一戸あたりの負担が大きくなってしまいます。
また、このマンションの管理会社は、
オーナー集会をほとんど開催していないことも分かりました。
収支決算書も私が個人的にお願いして取り寄せたような状況です。
やはり、管理組合の財務状況は期末ごとにきちんと全オーナーが認識し、
その都度適切な意思決定とアクションを取る重要性を痛感しました。
2005年になって、管理費と修繕積立金に関して管理組合は次のような決定を下しました。
・管理費の赤字約200万円を、赤字会計のまま保留する。
・管理基金総額200万円を、修繕積立金300万円へ繰入れ合算し、
合計500万円とする。
・修繕積立金約500万円で、屋上防水、鉄部塗装、ポンプ交換等の修繕工事を行う。
その結果、この物件は管理基金と修繕積立金のほとんどを使い果たすことによって、
新築以来初めて大規模修繕を行いました。
しかしながら、帳簿上は200万円もの累積赤字を先送りしています。
現在の修繕積立金は各戸毎月1000円ですので、
このまま放置しておけば必ず破綻する日がくるはずです。
その時、どんな時限爆弾が爆発するのでしょうか。
時限爆弾その1 大規模修繕費用の不足
今回の大規模修繕500万円は積立金から出すことになり、
オーナー負担ゼロで済みました。
ですが、10数年後におこなう次回の大規模修繕は、
1000万円規模の工事だとしても全25戸ですから、
1オーナーあたり40万円程度の臨時負担になる可能性があります。
これはオーナーにとって1年弱の家賃収入に匹敵します。
時限爆弾その2 管理費の累積赤字幅の拡大
現時点での管理費の累積赤字200万円は、1オーナーあたり7万円程度の負債ですが、
管理費を値上げしなければ赤字額は毎年増加していきます。
解決の目処は立っていません。
このように、初めて購入した鶯谷のワンルームマンションは、
多くの問題を投げかけてきました。
しかし、一度うまくいかなかったからといって、
そこでやめるような私ではありません。
それから数年は、次の物件の購入資金を作るために給与を貯金していきました。

しかし実際の収支は赤字に転落
1090万円をすべてローンで借入れるとすれば、
自己資金はゼロで済みます。
家賃収入は月6.3万円、管理費月5000円は入居者の負担です。
毎月の支出としては、修繕積立金が1000円、
委託管理手数料が5000円、
ローン返済(生命保険料含む)が5万円ですから、
年間の固定資産税2.7万円を支払っても、
計算上は月5000円程度のプラスとなります。
これなら元手ゼロで毎月お金が財布に入ってくると予想して、
購入に踏み切りました。
つまり、「表面利回り6.9%の物件」を
「金利3.5%、全額30年ローン」で購入したことになります。
(この金利等をイールドギャップと言います。)
しかし、実際に購入して賃貸運用してみると、
どんなことが起こったでしょうか。
予期していたお金に加えて、空室時の管理費負担や、
エアコンや給湯器等の急な故障修理費、
入居者入替時のリフォーム代金、
空室を埋めるための家賃値引きなどなど、
お金は財布から出てゆくばかりではありませんか!
これでは、当初の計画とは180度逆の方向に突っ走っています。
何とかしないと出血は増える一方です。
さらに研究を重ねて、今度はプラスになるように慎重に考えて、
でもなるべく早急に、次の手を打たなければなりません。
お金が財布から出ていくという大問題に加えて、
もうひとつ納得のいかないことがありました。
それは、巷でよく見かけたワンルームマンションの広告のコピー、
「収支が赤字なので節税できる」というアレです。
「今も自分は、財布から現金が出ていく一方で、
毎年、損を累積しているだけだ。どこに意味があるんだろう?」
収支が赤字であるなら、実際にも儲かっていないのではないか。
これが本当に節税になり、最終的にプラスの投資となるためには、
赤字分をどこかで取り返す必要があります。
単年度の収支は赤字ですから、所有するだけでは赤字分は戻ってきません。
ということは、この赤字を消してさらに儲けるためには、
最後にマンションを高く売って売却益をあげることしかチャンスはないわけです。
しかし、この時点(1996年)では物件価格はジリジリと下がり続けています。
将来高く売り抜けて儲けるなど、とても考えられません。
高い授業料でしたが、
「マンションは不動産とはいうものの、
自動車と同じように買ったら値下がりし続ける耐久消費財のようなものだ。」
と気づくことができたのは幸いでした。
(2005年6月に、サラリーマンの不動産所得損益通算制度は、
政府税制調査で廃止の検討がなされていると報道されました。
今後の動向に気をつけていく必要があります。)

購入物件その1 鶯谷の築浅物件をフルローンで
4件目に紹介されたのが、東京の上野・浅草近くの物件です。
山手線の鶯谷駅から徒歩15分、地下鉄日比谷線の三ノ輪駅から徒歩10分、
築8年でエレベーター付き全25室のマンションの1室でした。
山手線の駅から歩ける距離で、築浅、しかも2路線駅利用可能という点は魅力でした。
(今思えば、担当者は明らかに悪い物件から順に案内していったことがわかります。)
この鶯谷の物件が売りに出た経緯を確認してもらったところ、
宝石商の方が平成元年に購入したものの、
商売がうまく行かずローンが払えなくなってやむなく手放すということでしたので、
物件には問題なしと判断して購入を決めました。
<購入条件概要>
物件価格 1090万円
表面利回り 6.9%
購入資金 フルローン 金利3.5%
(借入期間30年。当時は区分所有でもフルローンが可能でした)
この物件はバブル期の新築で、
当時は3000万円以上の価格がついていました。
築8年とはいえその3分の1で買えて、
しかも表面利回りが6.9%と、「新築ワンルームの4%よりもはるかに高利回り」
だったので、お買い得感もありました。
今振り返ると、1996年当時はまだバブルと比較する感覚が残っていた時代でした。

紹介物件その1 鶴見線の駅1分の中古物件
最初に紹介されたのが、神奈川県川崎市のJR鶴見線の駅から徒歩1分の物件でした。
当時、仕事の関係から川崎への出張が多く、
鶴見線のこの方面はよく行っていましたので、
近隣の状況はよくわかっていました。
立地としてはそれほど悪くないと思ったのですが、
実際に見に行ってみると、1階が半地下になっていて、
南前面わずか1メートルのところに隣のマンションが建っているという物件でしたので、
すぐに断りました。
紹介物件その2 堀切菖蒲園の中古物件
2件目が東京の下町、葛飾区堀切菖蒲園の物件でした。
この物件は築年が昭和56年とやや古かったこと(当時で築15年)と、
東京の下町は全く土地勘がなかったため、断りました。
その後いろいろ調べていくうちに、
実は下町の方が安く買える割に家賃が高く取れることを知りました。
紹介物件その3 成城の中古物件
3件目に紹介されたのが、東京の山の手、世田谷区成城の物件でした。
通学で6年間親しんだ小田急線沿線で土地勘もあります。
立地は山の手の高級住宅地で文句なしだったのですが、
これも昭和56年と築年が古めだっただけでなく、
物件の管理状況に問題があったため断りました。
実際に現地を見に行ってみると、
清掃が行き届かず、エントランスはゴミだらけ、ポストはチラシであふれ返っている状態でした。