しかし実際の収支は赤字に転落
1090万円をすべてローンで借入れるとすれば、
自己資金はゼロで済みます。
家賃収入は月6.3万円、管理費月5000円は入居者の負担です。
毎月の支出としては、修繕積立金が1000円、
委託管理手数料が5000円、
ローン返済(生命保険料含む)が5万円ですから、
年間の固定資産税2.7万円を支払っても、
計算上は月5000円程度のプラスとなります。
これなら元手ゼロで毎月お金が財布に入ってくると予想して、
購入に踏み切りました。
つまり、「表面利回り6.9%の物件」を
「金利3.5%、全額30年ローン」で購入したことになります。
(この金利等をイールドギャップと言います。)
しかし、実際に購入して賃貸運用してみると、
どんなことが起こったでしょうか。
予期していたお金に加えて、空室時の管理費負担や、
エアコンや給湯器等の急な故障修理費、
入居者入替時のリフォーム代金、
空室を埋めるための家賃値引きなどなど、
お金は財布から出てゆくばかりではありませんか!
これでは、当初の計画とは180度逆の方向に突っ走っています。
何とかしないと出血は増える一方です。
さらに研究を重ねて、今度はプラスになるように慎重に考えて、
でもなるべく早急に、次の手を打たなければなりません。
お金が財布から出ていくという大問題に加えて、
もうひとつ納得のいかないことがありました。
それは、巷でよく見かけたワンルームマンションの広告のコピー、
「収支が赤字なので節税できる」というアレです。
「今も自分は、財布から現金が出ていく一方で、
毎年、損を累積しているだけだ。どこに意味があるんだろう?」
収支が赤字であるなら、実際にも儲かっていないのではないか。
これが本当に節税になり、最終的にプラスの投資となるためには、
赤字分をどこかで取り返す必要があります。
単年度の収支は赤字ですから、所有するだけでは赤字分は戻ってきません。
ということは、この赤字を消してさらに儲けるためには、
最後にマンションを高く売って売却益をあげることしかチャンスはないわけです。
しかし、この時点(1996年)では物件価格はジリジリと下がり続けています。
将来高く売り抜けて儲けるなど、とても考えられません。
高い授業料でしたが、
「マンションは不動産とはいうものの、
自動車と同じように買ったら値下がりし続ける耐久消費財のようなものだ。」
と気づくことができたのは幸いでした。
(2005年6月に、サラリーマンの不動産所得損益通算制度は、
政府税制調査で廃止の検討がなされていると報道されました。
今後の動向に気をつけていく必要があります。)
PR